薬草としての藍

 

人類最古の染料ともいえる「藍」。

藍染の歴史は古来、世界各地で知られており、有史以前から人々の体を守ってきました。エジプトで発掘された紀元前2000年頃のミイラに、藍で染めた麻布が巻かれていました。インドでは、青い染料の元となる葉を「インジカン」と呼び染色に使われています。これが藍の代名詞「インディゴ」となったようです。日本では、飛鳥時代に中国から持ち込まれたといわれています。


 藍は、昔から冷え性や肌荒れなどに効果があるといわれます。

江戸時代の古布も藍で染まった場所だけ虫が食わないなど、高い防虫効果があるので、大切な着物は藍の風呂敷で包んでしまっておいた、といわれます。また、水虫にもよいそうです。“藍染の下着や靴下は臭くならない”とも言われています。 

 

 

そもそも草木からとった染料は、病気に効く薬草として、太古の儀礼や儀式においては、色そのものに効果が期待されたものでした。エジプトの神聖な貴石、ラピスラズリも美しい藍色で、染料としても使われてきました。藍の色、そのものにも力があるのかもしれません。
 

藍は、さまざまな効能から洋の東西を問わず薬として使われてきました。

中国や日本に昔から伝わる薬学書、『神農本草経』『本草拾遺』『開宝本草』『本草綱目』といった書物には、藍の利用法や効果、効能が記されています。


 近年では、藍の抗炎症作用、抗菌作用、抗酸化作用についての研究が進んできており、改めて藍の効果効能が注目されています。    

葉や種には、ふぐ中毒の解毒や解熱剤として使われるほどの薬効があり、藍染された生地や衣類は、虫をはじめ蛇も近寄らないほどの防虫効果や、汗の臭いが気にならないなど、消臭・保温効果、肌を守る紫外線防止効果などがあります。最近ではアトピー性皮膚炎への抗菌性が注目されています。

藍の抗菌成分「トリプタンスリン」


藍の研究が進んで、皮膚に有効な成分トリプタンスリンが抽出されています。トリプタンスリンは、アトピー性皮膚炎の治療にも使われている「硝酸ミコナゾール」より約6倍強い抗菌性を示しました。そこで、藍の成分、トリプタンスリンからアトピー性皮膚炎治療薬が作られ、臨床試験が行われました。その結果、トリプタンスリンはアトピー性皮膚炎を軽減が確認され、治療効果が証明されたのです。

 

また、免疫応答におけるⅣ型アレルギー反応抑制作用が明らかになったのです。菌への耐性が弱まりつつある現代。アトピー持ちのお子様も多い時代にとって、非常に嬉しい効能です。

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